毎年採用する新卒の10~25%が外国人材
外国籍エンジニアの定着率向上に向け労働環境を整備中
~ チームの理解促進と協力で宗教や文化を維持できる労働環境づくりを推進 ~
株式会社アドックインターナショナルは、日本製の電話局交換機システムを主にアジア・アフリカ・南米地域などの海外に広く普及させる通信のインフラ会社として1990年に創業。現在、日本国内でも生活に欠かすことのできないインターネットや携帯電話の通信ネットワークを支えるエンジニアリング事業や、それらをAI等で全自動制御するソフトウェアの開発・導入支援等を行っています。当社には、毎年、外国籍のエンジニアが入社して活躍しています。人材不足が叫ばれる中、当社で活躍する外国人材についてご紹介いたします。
アドックインターナショナルには、今春、計5名の新入社員が入社しました。その内3名が外国籍の方です。近年、さまざまな業種で人材不足が叫ばれ、外国人人材の採用が注目されていますが、当社では、1990年の会社設立当初から、国籍を問わず採用しています。

モロッコ籍エンジニアの職場での様子

2025年度新入社員5名の内の外国籍エンジニア3名
当社では、社長自身がエンジニアとして海外の方々と多くの仕事をしてきた経験や、海外案件の増加を背景に、①IT技術に興味関心がある、②日常会話レベルの日本語が話せる、③仕事に対して前向きに元気に取り組める、という3つの要素が揃っていれば、新卒・中途を問わず、外国籍の方の応募も受け付けています。直近の新卒採用における外国籍の方の割合は、毎年10~25%ですが、2025年度入社の方については、60%と高い比率になっています。
これまで、延べ35人の外国籍の方を採用、その国籍は、中国・韓国・インド・ミャンマー・モロッコ・ラオス・ネパール・スウェーデン・インドネシア・ケニアの全10ヵ国にわたります。応募動機は、留学生の採用実績があること、エンジニアとして働けるチャンスが得られること、教育制度が充実していて成長できる、などさまざま。これに対して、当社は国籍や資格にこだわらず、人材としての素質を重視した採用を進めた結果、業務に必要な人数の確保が可能となりました。また、海外案件の拡大に伴い、当社がビジョンとする「BE THE USERSHIP COMPANY」の実現に向けて、多角的な視点で物事を考えて・見て・取り組むことができる体制が整いつつあります。
一方で現在の課題は定着率が10%と低くなってきていること。外国籍の方の採用人数が増えてきた2015年頃から、組織が拡大してきたことで、全社員がお互いに目を配れる状態からステージが代わったこともあり、日本語のコミュニケーションに関する課題や、文化や価値観の違いによる仕事への取組み姿勢のギャップを感じるといった理由の離職が発生しやすくなりました。それまでは、国籍に関係なく、全従業員同じ対応をしていましたが、この頃を境に、外国籍エンジニアに対して、日本人と同じ対応ではなく、言語や文化の違いを理解した上で働くことができるよう、以下のような対応を始めました。
- 宗教上のルールやNG事項をヒアリングし、協働するチームに共有するとともに、出向先となる企業の現場でも考慮いただけるよう協力を仰ぐ
- 中国や韓国の旧正月などの暦の違いについて、チームメンバーに理解を促し、長期休暇の取得のための調整をしてもらう
- 業務中に礼拝の時間を確保できるようにする
加えて、国籍に関係なく、新卒で入社したばかりの方に他部署の先輩社員がメンターとして就く「ブラザーシスター制度」などを利用してもらうことで、できる限り相談しやすい社内人脈の構築をサポートしています。今後も、外国籍の方の採用は採用予定数の30%程度を目安に継続していく予定であるため、より働きやすい環境を作るべく、労務管理やや人事管理、経費精算などのシステムや社内規定の多言語化に対応していきたいと考えています。また、将来的には、同じ国籍の方同士でコミュニティができ、より安心して働けるような状況を目指します。
【外国籍エンジニアの声】
- モロッコ出身
入社して以来、先輩方から多くのサポートをいただいています。特に印象的だったのは、あるプロジェクトの際のことです。私はタスクを説明するためのドキュメントを作成しましたが、日本語レベルの関係で、お客様との会議ではマネージャーがその資料を活用し、私の業務内容を説明してくださいました。プロジェクトを進める上で手厚いサポートをしていただき、言葉の壁を乗り越えることができました。ご支援いただき、大変助かりました。
また、同僚との日本語での会話がとても役に立っています。日本のニュースやアドックの仕事の進め方、文化の違いなど、さまざまな話題について話し、たくさんの情報交換をしています。これは語学研修やオンボーディングの改善にもつながると感じています。
- 韓国出身
外国籍で海外に就職するということは、自分の国で仕事をすることより数倍大変でした。話し方、思考、雰囲気、モラルなど、色々なところでギャップをいつも感じています。部署も自分の外国籍を活かせる部署に所属することになり、ありがたく、配属してすぐに自分のスキルで貢献できるようになりました。
上司からは技術部門よりマネジメントについて教えていただいていますので、人への接し方などをもっと学べたと思います。「もっとこんな支援が欲しい」という程ではありませんが、社内のE-ラーニングシステムなどで英語講座をもっと増やしていただけるとありがたいです。
■株式会社アドックインターナショナルについて
株式会社アドックインターナショナルは創立から30年を迎え、主に大手携帯キャリアの5G領域を含む通信インフラ構築・技術支援などのICTエンジニアリング事業を国内外に展開しています。またクラウド環境の統合管理やビックデータ、RPAに関するソリューションに加え、近年はアジャイル、DevOpsといった新たな開発環境におけるソフトウェア品質検証にも注力。Salesforceプラットフォームに特化した唯一のテスト自動化ツール「Provar(プロバー)」の国内総代理店として、Salesforceの導入企業または開発支援を行うIT関連企業に対して、Salesforceのテストプロセスにおけるさまざまな課題を克服し、最新リリースやアップデートに適応する高信頼・高品質なアプリケーションの早期リリースを可能にする、高度なテスティングサービスを提供しています。
社名:株式会社アドックインターナショナル
代表者:代表取締役社長 小林常治
所在地:東京都立川市曙町2丁目36-2 ファーレ立川センタースクエアビル 6F
設立:1990年9月
資本金:1億円(2024年12月1日現在)
従業員数:141名(2024年9月1日現在)
事業内容:情報システムの設計・構築・運用・保守
通信運用システムの開発・販売・アウトソーシング
テスティングサービス
テスティングに関わるプロダクトの販売/構築/運用保守
テスト自動化、業務自動化(Robotic Process Automation)サービス
上記に伴う技術教育サービス